イギリスの夏と冷房について
夏にイギリスへお越しになるお客様から、最近よくあるお問い合わせは「冷房はありますか?」というものです。
日本の夏の暑さは厳しく冷房は必需品なので、心配される方も多いのでしょう。
残念ながら当ゲストハウスには冷房はありません。
「え?冷房もないの?!」と驚かれるのかもしれませんが、イギリスでは最近でこそエアコンが少し普及してきましたが、まだまだあるところの方が珍しいと思います。
大手のホテルなどは、冷房も完備されている思いますが、ほとんどの小さなホテル、ゲストハウス、B&Bなどには冷房はありません。
冬の長いイギリスでは冷房よりも暖房の方が大事なのです。

ハイドパークのカフェ
イギリスも気温が30度を超えるような夏日もあったりしますが、日本のように数週間、数ヶ月も続くことはなく、長くても2週間ほどと言っても過言ではありませんし、それも滅多にありません。そんな訳でイギリスには冷房が普及しませんでした。
しかし、近年の世界的な気候変動のせいで、イギリスでも夏の気温が上昇してきました。日本ほどの湿度は感じませんが、雲がなく晴れて太陽が燦々と輝いている日にはかなり暑く感じます。
天気予報で晴れとでると、イギリス人はもちろん現地に住む人々は大喜び。庭でバーベキューをしたり、ビアガーデンで1杯やったり、公園に寝そべって肌を焼いたり、海辺に繰り出したり。短い夏を思いっきりエンジョイしています。

テムズ河岸のビーチ(?)でくつろぐ人たちも見かけます

ハイドパークの人工池、サーペンタインの遊泳区域
暑い日がしばらく続いて文句を言っているのは、地下鉄で通勤している人たちかもしれません。外が30℃を超えるような日には、地下鉄の中では35〜40℃近くまで気温が上がっていると言われます。
地下鉄の中に現在クーラーが完備しているのは、比較的浅いところを走っているディストリクト、サークル、ハマースミス&シティ、メトロポリタンだけとなっています。他のラインは深いために設置が難しく、エアコンを完備するまでには早くても2030年までかかるとのこと。もうしばらく辛抱が必要のようです。

冷房完備の新しいサークルラインの車両
一方、レストランやカフェなどには冷房が完備しているところも増えてきました。しかし、いくら外のお天気が良くて太陽が出ているからと言っても気温が20度ちょっと位しかないのに、冷房をガンガンきかせているところもあったりするので、これはこれでかなり迷惑です。シアターや映画館もガタガタ震えてしまうくらいに冷やされていることもよくあります。
これから夏にお越しになる皆さま、イギリスの夏は半袖服だけでは寒い日もありますので、必ず上から羽織るものをご持参くださいね。
特にスコットランドや湖水地方など北に行かれる方は、フード付きの防水ジャケットやダウンジャケットなどがあってもよいかもしれません。お天気が悪いと、ロンドンよりさらに寒さが厳しくなります。
ゲンダイ・ゲストハウス 管理人プロフィール
職業:ゲストハウス住み込み管理人
出身:東京
在英歴:1994年から
イギリスには当初学生として渡英し、その後、ホテルやケータリングなどのサービス業で仕事をして今に至ります。気がつくと、もう在英20年以上となりました。
イギリスへの思い入れは中学生の頃に読んだ「嵐ヶ丘」「大いなる遺産」がきっかけでしたが、未だにイギリスには期待を裏切られておりません。
1820年に建てられた歴史ある建物で運営されているこのゲストハウスに住み込み、マルチ・カルチャーなロンドンで暮らし、日本からお越しになるお客様のお世話をさせていただく毎日の生活は、飽きることがありません。「管理人」という職を通して色々なお客様にお会いできるのは、まさにのこの仕事の醍醐味です。
イギリスへお越しになる前に、観光の事など何かご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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