ロンドン南西部の憩いの場、チジック・ハウス&ガーデンズ Chiswick House & Gardens

チジック・ハウス&ガーデンズはロンドン南西部にある、イングリッシュ・ヘリテージ管理のプロパティのひとつです。

3代目のバーリントン卿(Earl of Burlington)が、ヴェネチアの建築家であるアンドレア・パラディオ(1508-1580)に影響を受けた「ネオ・パラディアン」様式のヴィラ(邸宅と庭園)です。

彼は、「建築家の伯爵」と呼ばれたそうですが、青年期にイタリアへ何度か足を運び、建築の勉強をしたそうです。また音楽もこよなく愛しました。あのヘンデルも彼のところに滞在している期間、2つのオペラを捧げたこともあったそうです。

また、ここの庭園は、ザ・ビートルズが1966年に「Paperback Writer」「Rain」のプロモーション・ビデオを撮影した場所としても知られています。

まずは歩行者用の入り口からガーデンの中に入ります。

Chiswick House

交通の激しい道路から一歩足を踏み入れたとたんに、静寂に包まれた美しいガーデンとなります。

ロンドン市内にありながら、ガーデンは65エーカー、邸宅、イタリアン・ガーデン、メディチ家のものを模倣したヴィーナス像、植物のコンサバトリー(温室)、小さな橋や小川、オベリスク、キッチンガーデン、などを見ることができます。敷地内にはこじんまりしたカフェもあります。

Chiswick House

Chiswick House

カフェ

早速イタリアン・ガーデンへ足を踏み入れます。

Chiswick House

イタリアン・ガーデン

コンサバトリーへ入るとその裏側の小道からつながっているハーブ・ガーデンがあるのですが、日曜日の今日はあいにく閉まっていました。

Chiswick House

コンサバトリー

Chiswick House

温室の素晴らしいデザイン

美しいガーデンの奥へ進むと、カフェ、そしてさらにその奥にハウスがあります。白くどっしりとしたハウスの概観からは良くわかりませんが、内部は八角形となっています。

Chiswick House

Chiswick House

しかしながら、この建物は居住用に作られたものではなかったらしく、たしかに住まいにするにはどこかしら不自由そうです。当時、「住むには狭く、時計を飾るには広すぎる」というコメントもあり用途がはっきりしないそうですが、一説によるとバーリントン卿のヨーロッパ・ツアーの際に収集した絵画が飾られていたことから、アートギャラリー目的ではないか、と考えられているそうです。残念ながら、室内は写真撮影が禁止です。

ハウスを出て左側にさらに進むと小さなカスケイド(滝)、小川と木陰の散歩道が続きます。小川には野鳥の雛がいました。

よく見ると散歩道のあちこちに、ブラックベリーが見られます。ブラックベリーはロンドンでは8月中旬から下旬にかけて旬になり、熟すと黒くなります。熟しているものがありましたので、少し摘み取っていただきました。甘くて美味しいです。

Chiswick House

黒くなったら食べ頃、ブラックベリー

Chiswick House

いかがでしょうか。都会の喧騒を離れて、静かなロンドンを少し楽しみたい方は、是非一度足を運んでみてください。

チジック・ハウス入館には入場料がかかりますが、ガーデンは無料で楽しめます。

また、当ゲストハウスからは、地下鉄駅はTurnham Green駅、オーバーグラウンドの場合はChiswick駅が最寄り駅となります。そこから住宅街を少し歩いたところに入り口があります。

バスの場合は、当ゲストハウスの最寄り駅、Great Portland Street駅前からNo.27のバス1本、「Chiswick Police」のバス停で下車します。そこから徒歩でDuke’s Avenue(住宅街)を下り、Subway(道路下通路)を通って入り口にたどり着きます。

Chiswick House and Gardens
http://chiswickhouseandgardens.org.uk/

ハウス:金~水曜日 4月2日〜 10:00 -18:00 / 10月〜11月10:00-17:00
ガーデン:毎日7:00~夕暮れまで
コンサバトリー:毎日10:00~16:00
カフェ:毎日8:30~ガーデンが閉まる1時間前まで
ハウス入場料:大人£7.20、子供(5-15歳)£4.30、5歳以下は無料
*クリスマス時期などは閉館などもありますので、お出かけの際にはウェブサイトでご確認を
*料金、時間は2017年8月時点での情報です


日帰りで楽しめる、中世の館「ハットフィールド・ハウス」

ロンドン市内から電車で約1時間弱、日帰り旅行にぴったりの「ハットフィールド・ハウス(Hatfield House)」をご紹介します。

ハットフィールド・ハウスは、イングランドの歴史的・文化的建物や施設を保護する団体、イングリッシュ・ヘリテージ(English Heritage)の管理下にあります。

15世紀後半にビショップ(位の高い聖職者)のために建てられたカントリー・ハウスで、その後、テューダー朝第2代のイングランド王ヘンリー8世により王室のものとなり、メアリー1世やエリザベス1世などがこの館で育ちました。そして、17世紀には貴族で政治家だったロバート・セシルがこの地を手に入れて、以後はセシル家所有となっています。

ハットフィールド・ハウス(Hatfield House)

現在、敷地内には主館と、ビショップ館がありますが、ビショップ館がもともとの建物で、イーリー大聖堂の聖職者たちの住居として建てられ、その後ヘンリー8世が別宅として使用していました。その後、この建物は一部壊されて改築されたそうです。(このビショップ館の厩や門は現在、カフェレストランとして使用されています)また主館の方は1607-1612年にロバートセシルによって新たな3階建のカントリーハウスが建てられました。この建物はジェームス1世様式建物としてはイングランドで5本の指に入る貴重なものだそうです。

最寄り駅のハットフィールド駅を出ると入り口門はすぐ目の前です。入場券を購入し、敷地内の地図がありますので、ここで入手します。

ハットフィールド公園はハウスの敷地と庭園を含めて約7500㎡、公園内にウォーキング・ルートもありますが、かなり広いので、徒歩でまわるのはちょっと無理かもしれません。とりあえずハウスへ向かいます。

お天気が良い日で、途中ジョギングをする人や、ピクニックをしている家族を沢山みかけました。

主館へ入ると、ガイドさんが迎えてくれました。質問すると詳しく説明してくれるガイドさんが各所にいらっしゃいます。

ハットフィールド・ハウス

メインの館

エリザベス1世の1枚の絵画を見つけました。エリザベス1世が虹を手にしている有名な肖像画「虹の肖像(The Rainbow Portrait)」です。この絵にはいろんな意味が込められているそうです。

エリザベス1世

左)『虹の肖像』虹を手にしたエリザベス1世の肖像画(The Rainbow Porait, c. 1600–02, attrib. Marcus Gheeraerts the Younger)右)The Ermine Portrait, William Segar, 1585. Elizabeth as Pax.

ガイドさんにこの意味を聞いてみたところ、 虹は創世記に平和の象徴、神と人間の契約の証とされ、ひとつには彼女が国家に平和をもたらす、また、もうひとつの意味は、ラテン語に「太陽無くして虹は無し(non sine sole iris)」という言葉があり、「太陽=エリザベス女王」であり、この虹がくっきり描かれていないのは、そのためではないかと言われているそうです。

さらに面白いのは、エリザベス女王の服の腕の部分の刺繍が蛇の姿が描かれていたり、ドレスの模様に目や耳が描かれていたりと、キリスト教的な象徴が散りばめられています。

蛇や目と耳は女王の叡智、賢明さを示しているのだそうです。

「この絵が描かれた時のエリザベスは何歳だったと思いますか?」とガイドさんに聞かれ、エリザベス1世は年を取っても若くシワのない肖像画に仕上げさせる話は有名でしたが、検討もつきませんでした。答えばなんと67歳!だったそうです。

館内には、図書室、チャペル、ドローイングルーム、ダイニングルーム、ベッドルーム、鎧などが並ぶ回廊、召使たちが食事を作るキッチンなど、こじんまりとはしていますが、見ごたえがあります。

ハットフィールド・ハウス

左)The Marble Hall 右)The Long Gallery

ハットフィールド・ハウス

重厚な雰囲気の図書室と絵画がたくさん飾られたドローイング・ルーム

ハットフィールド・ハウス

チャペルとキッチン

手紙

エリザベス1世の手紙

旧館のかつての厩が現在、モダンで明るく開放的な広々したカフェやギフトショップ、お手洗いなどになっています。

かつての厩

かつての厩は、カフェやショップなどになっています

敷地内のお庭も見事です。季節によって、チューリップ、水仙、カモミール、ハーブガーデン、バラなどが楽しめます。

庭

きれいに手入れされた庭

ハットフィールド・ハウス

噴水もあります

日差しを避けながら庭の周りを歩ける緑のトンネルのようなわき道もありました。その傍らにはエリザベス1世と家来たちの彫刻もあります。

緑のトンネル

緑のトンネル

ハットフィールド・ハウス

エリザベス1世と家臣たちの彫刻

イギリスの歴史に思いをはせながら、館内と庭を見学しながら、ゆったりした時間を過ごすことができるおすすめの日帰り旅行です。

ハットフィールド・ハウスへの行き方ですが、当ゲストハウスからも近いキングスクロス駅から、最寄駅のハットフィールド駅まで電車で約40分、駅の目の前、と大変便利です。(週末は特に電車の運行状況を確認してからお出かけください)

ハットフィールド駅

ハットフィールド駅

施設や季節によって開館日・時間が違いますので、お出かけ前にウェブサイトでご確認ください。

ハットフィールド・ハウス
Hatfield House

Opening Times & Prices

電車の時間はナショナル・レイルのサイトでチェック
http://www.nationalrail.co.uk/


ハムステッド・ヒースにあるケンウッド・ハウスに行ってきました

お天気がまずまずだった先週末、久しぶりにハムステット・ヒースにある「ケンウッド・ハウス」へ行ってきました。ハムステッド・ヒースの北部にある真っ白なお屋敷です。いかにも英国貴族のお屋敷といった風情、品格の漂う美しい建物です。「ノッティングヒルの恋人」をはじめとした多くの映画やドラマの撮影地にもなっています。

ケンウッド・ハウス

丘の上のお屋敷

ケンウッド・ハウス

ハムステッド・ヒースにある白亜のお屋敷、ケンウッド・ハウス

なんといっても素晴らしいのは、お屋敷正面から見る景色です。

このお屋敷の歴史は17世紀に遡ります。

まず、初代マンスフィールド伯爵が土地を購入、その後18世紀半ば、伯爵の依頼により、当時、人気建築家であったロバート・アダムスが建築したものだそうです。しかしながら、その後20世紀に導入された相続税のために第6代伯爵が屋敷や敷地の一部を売却することとなり、その際に多くの家具家財が売りにだされ、ケンウッドの敷地も存続の危機にさらされました。

そんな中、1925年にギネスビール社の初代会長であるエドワード・セシル・ギネス(アイビー伯爵)が、屋敷と残されていた敷地を購入しました。多くの絵画コレクションを所持していた伯爵は、そのための屋敷を購入したようでした。彼の死後、ケンウッド・ハウスは国へ寄贈され、現在は歴史的建造物を保護する「イングリッシュ・ヘリテージ(English Heritage)」という機関が管理しています。

芝生に寝転びたい気持ちを我慢しつつ、さっそく館内に入ります。

入場は無料。

入り口は南正面の裏手にあります。中へ入ると、その日はボランティアのガイドさんと思われる人たちがバッチを首から提げて、迎えてくれました。英語ではありますが、質問があれば、いろいろと教えてくれるようです。

こじんまりとしたお屋敷ですが、館内には、レンブラントやフェルメール、コンスタブル、ゲインスバラ、ターナーなどの著名画家の絵画のコレクションがあり、とても見応えがあります。

ケンウッド・ハウス

ケンウッド・ハウスの内部

コンスタブル

英国を代表する画家、ジョン・コンスタブル(1776 – 1837)による風景画

図書室が素晴らしく、天井も素敵です。こんな場所で美しい庭を眺めながら本を読むなんて贅沢ですね。

図書室

図書室

図書室の天井

図書室の天井

小さなギフトショップと建物の隣にはカフェもあります。

カフェ

カフェ

季節のよいときに訪れたら、ちょっと足を伸ばして、広大なハムステット・ヒース内を散歩したり、ハイゲート・ハイストリートを散策したりすることもできます。

ハムステッド・ヒース

ハムステッド・ヒース

晴れた日は、美味しい食べ物を買い込んで、敷物を敷いてピクニックを楽しむのもいいですね。
皆様も機会があれば、是非訪れてみてください。

Kenwood House
Hampstead Lane, Hampstead, NW3 7JR
http://www.english-heritage.org.uk/visit/places/kenwood/

当ゲストハウスからは、バス134でArchway駅まで行き、駅の反対側(Junction Road)のバス停からバス210に乗り換えて約10〜15分、Highgate High Streetをしばらく先へ進んで、「Compton Avenue」で下車、公園の入り口から入って徒歩約5分程度です。
または、地下鉄ノーザン・ライン北方面(Edgeware行き)でGolders Green駅下車、駅前からバス210で行くこともできます。

(バスは、乗車1時間以内の乗り換えであれば、運賃はオイスターカードから1回分しか差し引かれません。詳しくは バスの乗り換えについて)


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