イギリスのクリスマスの飲み物、マルドワイン

先日オックスフォード・ストリートのクリマス・イルミネーションも点灯して、街中はすっかりクリスマスの雰囲気となりました。レスター・スクエアやサウスバンクにも、すでにクリマス・マーケットがオープンし、大勢の人で賑わっています。

クリスマス・マーケットやパブなどでこの季節、必ずお目にかかる「マルドワイン(Mulled Wine)」と呼ばれる飲み物をご存じでしょうか?シナモン、クローブなどのスパイス、オレンジやレモン、砂糖を入れて甘くした温かいワインです。寒い冬空の下、心も体も温まるこのマルドワイン、いったいどんな由来で、どうやって広まったのでしょうか?

マルドワイン

スパイスの香りゆたかなマルドワイン

古代ギリシャでは残ったワインを捨てずに、蜂蜜、ベイリーフ、黒胡椒、サフランなどを入れて温めて飲んだとの説があります。2世紀頃から、ローマ人は冬の寒さから体を守るためにワインを温めて飲み始め、それがローマ帝国を築くヨーロッパ遠征で各地に広がったとのこと。

中世になるとヨーロッパ人も、体を病気から守り健康に良いと信じて、食後に温かくて甘いワインを飲む習慣が始まったとか。

時代とともにこの温かいワインは、寒いスカンジナビアを除いて廃れましたが、1800年代には「グロッグ(Glogg)」というよく似た飲み物が人気となりました。1890年にグロッグがクリスマスの飲み物として紹介されると、それがヨーロッパ全土に普及したと言われています。

スカンジナビアではグロッグ、ドイツではグリューワイン、フランスではヴァンショーと、お国によって呼び名もレシピも少しずつ変化しましたが、イギリスでは、マルドワインがクリスマスの時期の飲み物として定着しています。

昔は家庭での手作りが一般的でしたが、最近はスーパーなどでボトルに入ったマルドワインや、ワインに混ぜるだけのマルドワイン用スパイスミックスが販売されていますので、作るのが面倒な方はぜひお試しください。市販のものを使って、自分好みの味にするのもおすすめです。

スーパーのマルドワイン

マークス&スペンサーのお酒売り場にあるマルドワイン(右端)。クリスマスは、シャンパンはもちろんですが、チェリー・クロッグ、アイリッシュ・クリームなど甘いお酒も並びます。

いろいろなレシピがたくさんありますが、ご参考までにBBCのレシピ
http://www.bbc.co.uk/food/mulled_wine

参考サイト
http://www.medievalhistories.com/medieval-mulled-wine/
https://vinepair.com/articles/history-of-mulled-wine/


ロンドンのクリスマス・イルミネーション点灯式

朝、晩の気温もグンと下がり、枯葉が舞う秋たけなわのロンドンとなりました。日も徐々に短くなり、これで10月末の最後の日曜日(今年は29日)にサマータイムが終了すると一気に夜が長くなります。

これからの暗いロンドンの秋、冬を明るくしてくれる、クリスマスのイルミネーションの点灯式が、毎年あるのをご存知でしょうか?

オックスフォード・ストリート

オックスフォード・ストリートではすでにライトの準備が整っています

点灯式なんてとても大げさな気がしますが、中でもオックスフォード・ストリートとリージェント・ストリートは小さな舞台が設けられ、エンタメがあったり、有名人が来てカウントダウンがあったりと結構な人で賑わいます。

毎年、今年はどんなデコレーションで飾られるのかとワクワクしますが、街のライトが点灯するともう気分は一気にクリスマスです。

*点灯式の前後は、バスを含む車両通行止めなど、周辺の交通が規制されますので、ご注意ください。

オックスフォード・ストリート
Oxford Street
2017年11月7日(火)

カーナビー・ストリート
Carnaby Street
2017年11月9日(木)17:00 – 21:00

コベント・ガーデン
Covent Garden
2017年11月14日(火)

ボンド・ストリート
Bond Street
2017年11月15日(水)

リージェント・ストリート
Regent Street
2017年11月16日(木)

ちなみにイルミネーションの期間は1月5日までとなります。この日が十二夜(Twelfth Night クリスマスから数えて12日目)にあたり、こちらでは十二夜までにクリスマスのデコレーションを下ろさないと縁起が悪いと言われています。

リージェント・ストリートのクリスマスライト

2016年のリージェント・ストリートのクリスマス・ライト

 


ロンドンのクリスマスと年末年始の交通情報

いよいよ、来週末からクリスマス・ホリデー期間に入ります。

今年はクリスマスの12月25日(日)、翌日のボクシングデー26日(月)、27日(火・祝日代休)、1月1日(日・元旦)、1月2日(月・振り替え祝日)がすべてイギリスの祝日となります。(スコットランドでは1月3日も振り替え祝日となります)

この期間中、英国の電車やバスなど運行ダイヤに多くの変更がありますので、お出かけの際は事前に、交通機関のウェブサイトなどをお確かめください。

ロンドン地下鉄

● 12月24日(土)
地下鉄:通常運行、最終23:30(Charing Cross駅は00:45にクローズ)、ナイトチューブなし。
バス:通常運行、ナイトバスはなし。
オーバーグラウンド:早めに終了(最終21:30)

● 12月25日(日・祝日)クリスマス・デー
すべて運休

● 12月26日(月・祝日)ボクシング・デー
朝7:45からの運行、日曜日ダイヤでの運行サービス
(一部のディストリクト、サークル、ベーカールーラインが運行なし)
バス:日曜ダイヤでの運行サービス
ロンドン市内の地上電車:運休

● 12月27日(火・振り替え祝日)
地下鉄:日曜ダイヤで運行
バス:週末ダイヤで運行
オーバーグラウンド:土曜ダイヤで運行

● 12月31日(土)ニューイヤーズ・イブ
ニューイヤーズ・イブは通常運行で、深夜から朝まで運行。
(※ 23:45〜04:30までの間、地下鉄料金が無料となります)
バス、地上電車:土曜ダイヤで運行

● 2017年1月1日(日・祝日)ニューイヤーズ・デー
地下鉄:土曜ダイヤ、12:00以降、本数減少。
バス、オーバーグラウンド:日曜ダイヤ

● 1月2日(月・振り替え祝日)
地下鉄:土曜ダイヤ
バス、オーバーグラウンド:日曜ダイヤ

詳しくは下記サイトでご確認ください。

クリスマス・年末年始のロンドン交通
http://www.news-digest.co.uk/news/london/london-transport-over-christmas-and-new-year.html

Transport for London
https://tfl.gov.uk/status-updates/major-works-and-events/festive-travel

National Rail
http://www.nationalrail.co.uk/service_disruptions/149383.aspx


イギリスのクリスマスの歴史と伝統

あっという間に今年も12月になりました。ロンドンの街中はますますクリスマス色が濃くなり、寒さにもかかわらず活気づいているように見えます。

イギリス人にとってクリスマス・シーズンはとてもわくわくする季節のようです。大きなクリスマスツリー、その周りに置かれた沢山のプレゼント、テーブルの上のお菓子、果物、装飾品、クリスマスカードなど、子供から大人まで楽しみにしています。

トラファルガー・スクエアのもみの木

トラファルガー広場のもみの木

しかしながら、今日のようなクリスマス・シーズンの光景はイギリスの古い歴史的なものではなく、19世紀はじめ、ヴィクトリア女王の時代まで見られなかったようです。

ヴィクトリア女王はドイツ生まれのアルバート王子と結婚し、彼が幼少時代に過ごしたドイツの伝統的なクリスマスの要素を、英国王室に取り入れ、そこから一般庶民に広がっていったようです。

たとえばクリスマス・カードは19世紀にはイギリスではとても高価で、一般人には手の出ないものでしたが、ヴィクトリア時代に印刷技術の発展と郵便制度の導入で大人気となりました。

ヴィクトリア時代のクリスマス・カード

V&Aで展示中のヴィクトリア時代のクリスマス・カード

また、家の内外で見られるクリスマスの飾り付けもヴィクトリア時代の産業発展とともにますます拡大していったそうです。唯一、中世からあったのはChristmas Feast(饗宴)ですが、やはり今日のイギリスの家庭の典型的なクリスマス様式となったのはヴィクトリア時代からです。

イギリスのクリスマスのお菓子のひとつにミンス・パイ(Mince Pie)というのがありますが、中世時代には小麦のパイに肉が入っているものだったのが、ヴィクトリア時代に肉のないものが上流階級で流行し、それが現在、一般家庭のどこでも見られるミンスパイの形にたどり着いたといわれています。(ミンス・パイのレシピなど http://www.news-digest.co.uk/news/gourmet/british-food-and-sweets/14496-mince-pie.html

ミンスパイ

ドライフルーツがたっぷり入ったミンスパイ。この時期は、カフェなどでも食べることができます。

クリスマス・ツリーを家の中に飾るという風習もアルバート王子がクリスマスイブにウインザー城にクリスマスツリーを導入、自分たちで飾りつけ、キャンドルを照らし、ジンジャー・ブレッドをかざりました。その後、王室に習えとばかりに、徐々に国内に広まったそうです。

クリスマスにはクリスマスキャロルを歌いますが、この時代、典型的なヴィクトリア朝の家にはピアノがあったそうで、クリスマスの日には誰もがこの周りに集まってキャロルを歌いました。日本人でも良く知っている「きよしこの夜(Silent Night)」はよく歌われていたようです。

クリスマスキャロルはもともとイギリスの古い習慣で、家から家を回り、歌をうたって食物を分けてもらう習慣からきたものでしたが、この伝統が発展し、新しい歌や形式を生み出しました。今でもクリスマス前になると、チャリティー団体(あるいは個人)が買い物客からの募金を募っている姿を良く見ます。

クリスマスの時期に来られる皆様、神聖な教会でのクリスマスキャロル、コンサートホールで一緒に歌えるクリスマスキャロル、とありますので機会があればどうぞ訪れてみてください。

 

 

● 参考サイト
http://news.bbc.co.uk/local/berkshire/hi/people_and_places/history/newsid_9286000/9286971.stm

ヴィクトリアンのクリスマス・キャロル
http://www.victorian-era.org/victoian-christmas-carol.html

● クリスマス・キャロルが行われる場所

Trafalgar Square
https://www.london.gov.uk/about-us/our-building-and-squares/trafalgar-square/trafalgar-square-christmas-carol-singing

Royal Albert Hall
http://www.royalalberthall.com/tickets/events/2016/christmas-carol-singalong/

St Paul’s Cathedral
https://www.stpauls.co.uk/worship-music/worship/christmas/services-events

Westminster Abbey
http://www.westminster-abbey.org/events/christmas


冬のロンドンの風物詩:ウィンター・ワンダーランドとウィンター・マーケット

ヨーロッパでは暗くて長い冬の楽しみのひとつにクリスマスマーケットがあります。ドイツなどでは有名ですが、イギリス国内の都市でも似たようなマーケットがあちこちで見られます。

ロンドンではすっかり恒例となったハイドパークで行われる「ウィンター・ワンダーランドWinter Wonderland」、そしてサウスバンク(テムズ河沿い)のウインター・マーケットが今年もスタートしました。

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アトラクションや乗り物は別料金

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ストールが並びます

12月の子供たちの冬休み中には家族連れで大賑わいです。場内には遊園地のような乗り物、ミニ・アイススケート場、クリスマス雑貨をはじめ、アートクラフト、お土産品、食べ物の屋台など、多数やって来ます。

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クリスマス・ツリーのオーナメントを売っているストール

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あたたかそうなマフラー

期間中にはアイススケート・ショーなどの催し物もあるようですので、お目当てのアトラクションがある場合にはチケットの事前購入をおすすめします。

また、夜のイルミネーションが綺麗で寒い冬でもこれを目当てに出かける方も多いようです。買い物を終えて、あるいは仕事帰りに、暗くなった夜からでも楽しめます。

この時期ロンドンにご滞在ご予定の皆様は、寒さの中、モルドワイン Mulled Wine(スパイスの効いたホットワイン)を楽しみながら、冬のロンドンの夜の散策をお楽しみください。

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シナモンやクローブなどのスパイスのきいたマルド・ワインは身も心も温まります

※どちらも入場料は無料(アトラクションは別途料金)

★ウインターワンダーランド
Winter Wonderland
場所:ハイドパーク (地下鉄 Green Park, Marble Arch, Hyde Park Corner駅)
2016年11月18日(金)~2017年1月2日(月)10:00AM -10:00PM
http://hydeparkwinterwonderland.com/plan-your-visit/#lDf9MvwcbU4q9Edo.97

★サウスバンク・ウインター・マーケット
Southbank Centre Winter Market
2016年11月11日(金)~2017年1月8日(日)
場所:サウスバンク(地下鉄waterloo駅近く、テムズ河沿い)
Southbank Christmas Market
http://www.southbankcentre.co.uk/whatson/winter-market-1002058

 


ロンドンのクリスマス・シーズンの楽しみ方

あっという間に11月も半ば。ロンドンはここ数日で一気に気温が下がり、秋の服装から慌てて冬仕度です。旅行のときには、みなさん天気予報、予想気温などチェックされると思いますが、イギリスでは風の強さにもご注意を。風の強い日は、体感温度がぐんと下がり、帽子と手袋が欲しくなります。

先日はついにオックスフォード・ストリートのイルミネーションの点灯式が行われ、街がキラキラと輝きはじめました。デパートなどのショーウィンドウの飾りつけもクリスマスに様変わり、気分はすっかりクリスマスです。寒くて暗いだけではない、年に一度のフェスティブ・シーズンの楽しみをご紹介します。

オックスフォード・ストリート

オックスフォード・ストリートのイルミネーション。今年はNSPCC(児童虐待防止のチャリティ団体)とのコラボ

オックスフォード・ストリート

キラキラときれいです

バレエや演劇もクリスマスっぽい演目があったり、またチャリティ・コンサートなども各地で行われますので、少しおしゃれして出かけるのもクリスマス気分を盛り上げてくれます。

また、テムズ川沿いのサウスバンクのクリスマス・マーケットや、自然史博物館、サマセット・ハウス、ロンドン塔など観光名所でのスケート、ハイド・パークのウィンター・ワンダーランド(移動遊園地、アトラクション)など、家族で楽しめるアクティビティもたくさん。

サマセット・ハウス

サマセット・ハウスにはスケートリンクのほか、フォートナム&メイソンのポップアップ・ショップもオープン(写真は2016年のもの)

日本円が強い今、冬のロンドン、クリスマスのロンドンも是非楽しんでください!
ロンドンのクリスマスの様子は、またこのブログや、インスタグラムでもご紹介していきます。

ロンドンのクリスマスイベント情報
http://www.timeout.com/london/christmas

ロンドンのスケート場
http://www.news-digest.co.uk/news/listing/events/9712-ice-skating-rinks-in-london.html


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