日帰りで楽しめる、中世の館「ハットフィールド・ハウス」

ロンドン市内から電車で約1時間弱、日帰り旅行にぴったりの「ハットフィールド・ハウス(Hatfield House)」をご紹介します。

ハットフィールド・ハウスは、イングランドの歴史的・文化的建物や施設を保護する団体、イングリッシュ・ヘリテージ(English Heritage)の管理下にあります。

15世紀後半にビショップ(位の高い聖職者)のために建てられたカントリー・ハウスで、その後、テューダー朝第2代のイングランド王ヘンリー8世により王室のものとなり、メアリー1世やエリザベス1世などがこの館で育ちました。そして、17世紀には貴族で政治家だったロバート・セシルがこの地を手に入れて、以後はセシル家所有となっています。

ハットフィールド・ハウス(Hatfield House)

現在、敷地内には主館と、ビショップ館がありますが、ビショップ館がもともとの建物で、イーリー大聖堂の聖職者たちの住居として建てられ、その後ヘンリー8世が別宅として使用していました。その後、この建物は一部壊されて改築されたそうです。(このビショップ館の厩や門は現在、カフェレストランとして使用されています)また主館の方は1607-1612年にロバートセシルによって新たな3階建のカントリーハウスが建てられました。この建物はジェームス1世様式建物としてはイングランドで5本の指に入る貴重なものだそうです。

最寄り駅のハットフィールド駅を出ると入り口門はすぐ目の前です。入場券を購入し、敷地内の地図がありますので、ここで入手します。

ハットフィールド公園はハウスの敷地と庭園を含めて約7500㎡、公園内にウォーキング・ルートもありますが、かなり広いので、徒歩でまわるのはちょっと無理かもしれません。とりあえずハウスへ向かいます。

お天気が良い日で、途中ジョギングをする人や、ピクニックをしている家族を沢山みかけました。

主館へ入ると、ガイドさんが迎えてくれました。質問すると詳しく説明してくれるガイドさんが各所にいらっしゃいます。

ハットフィールド・ハウス

メインの館

エリザベス1世の1枚の絵画を見つけました。エリザベス1世が虹を手にしている有名な肖像画「虹の肖像(The Rainbow Portrait)」です。この絵にはいろんな意味が込められているそうです。

エリザベス1世

左)『虹の肖像』虹を手にしたエリザベス1世の肖像画(The Rainbow Porait, c. 1600–02, attrib. Marcus Gheeraerts the Younger)右)The Ermine Portrait, William Segar, 1585. Elizabeth as Pax.

ガイドさんにこの意味を聞いてみたところ、 虹は創世記に平和の象徴、神と人間の契約の証とされ、ひとつには彼女が国家に平和をもたらす、また、もうひとつの意味は、ラテン語に「太陽無くして虹は無し(non sine sole iris)」という言葉があり、「太陽=エリザベス女王」であり、この虹がくっきり描かれていないのは、そのためではないかと言われているそうです。

さらに面白いのは、エリザベス女王の服の腕の部分の刺繍が蛇の姿が描かれていたり、ドレスの模様に目や耳が描かれていたりと、キリスト教的な象徴が散りばめられています。

蛇や目と耳は女王の叡智、賢明さを示しているのだそうです。

「この絵が描かれた時のエリザベスは何歳だったと思いますか?」とガイドさんに聞かれ、エリザベス1世は年を取っても若くシワのない肖像画に仕上げさせる話は有名でしたが、検討もつきませんでした。答えばなんと67歳!だったそうです。

館内には、図書室、チャペル、ドローイングルーム、ダイニングルーム、ベッドルーム、鎧などが並ぶ回廊、召使たちが食事を作るキッチンなど、こじんまりとはしていますが、見ごたえがあります。

ハットフィールド・ハウス

左)The Marble Hall 右)The Long Gallery

ハットフィールド・ハウス

重厚な雰囲気の図書室と絵画がたくさん飾られたドローイング・ルーム

ハットフィールド・ハウス

チャペルとキッチン

手紙

エリザベス1世の手紙

旧館のかつての厩が現在、モダンで明るく開放的な広々したカフェやギフトショップ、お手洗いなどになっています。

かつての厩

かつての厩は、カフェやショップなどになっています

敷地内のお庭も見事です。季節によって、チューリップ、水仙、カモミール、ハーブガーデン、バラなどが楽しめます。

庭

きれいに手入れされた庭

ハットフィールド・ハウス

噴水もあります

日差しを避けながら庭の周りを歩ける緑のトンネルのようなわき道もありました。その傍らにはエリザベス1世と家来たちの彫刻もあります。

緑のトンネル

緑のトンネル

ハットフィールド・ハウス

エリザベス1世と家臣たちの彫刻

イギリスの歴史に思いをはせながら、館内と庭を見学しながら、ゆったりした時間を過ごすことができるおすすめの日帰り旅行です。

ハットフィールド・ハウスへの行き方ですが、当ゲストハウスからも近いキングスクロス駅から、最寄駅のハットフィールド駅まで電車で約40分、駅の目の前、と大変便利です。(週末は特に電車の運行状況を確認してからお出かけください)

ハットフィールド駅

ハットフィールド駅

施設や季節によって開館日・時間が違いますので、お出かけ前にウェブサイトでご確認ください。

ハットフィールド・ハウス
Hatfield House

Opening Times & Prices

電車の時間はナショナル・レイルのサイトでチェック
http://www.nationalrail.co.uk/


ヴァージニア・ウォーターへ行ってきました

お天気の良い週末、ウインザー・グレート・パーク(Windsor Great Park)の南端にある、森林に囲まれた美しい湖「ヴァージニア・ウォーター」に行ってきました。

美しい湖

美しい湖

地図でご覧になるとわかりますが、ウインザー城のあるウィンザーの街からは離れていますが、Crown Estateと呼ばれる王室管理局所有の広大な公園、ウインザー・グレート・パークと、その敷地内にある見事なお庭、サヴィル・ガーデン(The Sallive Garden 入場有料)に隣接しています。

ヴァージニア・ウォーターは入場料無料です。ここは観光地ではないため、観光客にはあまり馴染みがありませんが、地元の人々の憩いの場で、森に囲まれ、自然を満喫できる素敵な散歩道です。

ヴァージニア・ウォーター

ヴァージニア・ウォーター

調べてみると、このヴァージニア・ウォーターはおよそ17世紀から存在していたそうです。

第二次世界大戦中、湖は軍事攻撃の目印とならないよう、水を抜かれたこともあったそうです。現在の湖の周囲は7.2キロメートル、半分は舗装されており、残りの半分は舗装なしの”自然”の道です。

ヴァージニア・ウォーター

自然の散歩道

また、この場所はハリー・ポッターの映画「アズカバンの囚人」、「炎のゴブレット」の撮影にも使われたそうで、ハリー・ポッター・ファンの方ならばどのシーンのことかわかるかもしれません。おもな撮影地はスコットランドだったそうですが、スコットランドではあまりにブヨ(ミッジズ Midges)が多かったため、こちらが変わりに一部撮影現場として使用されたそうです。

大きな森林に囲まれて木陰が多いため、家族連れのピクニック、犬の散歩、お昼寝をする人たちがたくさんいました。季節によっては、さまざまな種類の花が見事に咲き乱れているそうです。

また途中には、ジョージ4世に贈呈されたというローマ時代の遺跡もありました。

ローマ時代の遺跡

ローマ時代の遺跡

橋

木漏れ日を浴びながら散歩しているとロンドンの喧騒を忘れます。木々の間から湖をながめると「ここは湖水地方?」とちょっと思ってしまいます。わんちゃんたちも大はしゃぎです。何度でも飼い主の投げるボールを取りに、ドボンと水に入っては嬉しそうに泳いていました。

湖に飛び込む犬

湖に飛び込む犬

ちょうど、野鳥たちの雛が元気におおきくなりはじめている頃で、白鳥の親子も泳いでいるのをみかけました。かわいいですね。

白鳥の親子

白鳥の親子

とにかく広いので、多くの訪問者で混み合っている日曜日の昼間であっても、静かな場所はいくらでもあります。本を読んだり、昼寝をしたり、お弁当を広げてみたり、と楽しみ方はさまざまです。

ヴィジター・センターの入り口付近にはカフェレストラン、そのとなりにお手洗がありました。

ヴァージニア・ウォーターへの入り口

ヴァージニア・ウォーターへの入り口

ヴィジター・センター

ヴィジター・センター

当ゲストハウスからの行き方は、まず地下鉄でLondon Waterloo駅へ行き、そこからSouth West TrainのReading行きでVirginia Water 駅下車。駅からはタクシーで約5〜10分です。現地にタクシーは止まっていないため、帰りは電話してきてもらうか、行きのタクシーにお願いしましょう。

ヴァージニア・ウォーター Virginia Water
http://www.windsorgreatpark.co.uk/en/experiences/virginia-water


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