ウォレス・コレクション Wallace Collection

ウォレス・コレクションは15〜19世紀にかけての、特にヨーロッパの美術品の絵画、家具、武具、鎧、磁器などを25室に展示されている美術館です。

場所はオックスフォード・ストリートのデパートのセルフリッジの裏手あたりに位置し、マリルボーン・ハイストリートのすぐ近く、当ゲストハウスからも歩いて20分くらいでたどり着けます。

ウォレス・コレクション

オックスフォード・ストリートとマリルボーンの間あたり、セルフリッジズの裏手にあります

ウォレス・コレクションは1897年設立。ハートフォード・リチャード・ウォレスが父親から相続したもので、未亡人のウォレス夫人がコレクションのすべてをイギリス政府に残しました。

入場料は無料ですが、大英博物館と同じく寄付の箱(Donation Box)が入り口近くに置いてありますので、僅かでも寄付したいです。

1900年から、このハートフォード・ハウスにて一般公開され、現在もそのままの状態にあるそうですが、ここの美術品は外部持ち出し禁止で、ここでしか見られないとのこと。

ウォレス・コレクション

豪華で女性的な装飾が施された書斎(Study)。マリー・アントワネットの家具が展示されています

エントランス・ホールから、フロント・ステイト・ルーム、バック・ステイト・ルーム、ピリヤード・ルーム(かつては貴族の家には普通にビリヤードがあったため)、スモーキング・ルーム、ドローイング・ルーム、スタディ・ルームなど、それぞれのお部屋の装飾、家具調度品が素晴しく、贅沢!芸術家でなくとも、ここでじっくりいろんなもののデザインを観察してアイディアが掴めそうな気がします。

ウォレス・コレクション

オールド・マスターの絵画が展示されているファースト・フロアのグレイト・ギャラリー

絵画では、ティツィアーノ、レンブラント、ルーベンス、ヴァン・ダイクなどの有名画家の物もあります。

個人的に気にいっているのはフランスの15-16世紀の優雅さを感じさせるポンパドゥール侯爵夫人の肖像画です。このポンパドゥール侯爵夫人、正式名はジャンヌ・アントワネット・ポンパドゥール侯爵夫人。

20歳で裕福な出の夫の元に嫁いで身分をあげた後、1745年、夫のいない間に国王の目に止まり、ヴェルサイユ宮殿に上がったのは23歳の時。彼女は背丈も大きすぎず、小顔で整った容姿、その立ち振る舞いはとても優雅だったそうです。

しかし国王ルイ15世の愛人になるにはまだそれでも身分が低すぎたので、国王はある断絶した貴族、ポンパドゥールの領地を彼女に与え、正式に愛人としました。

彼女は宝石よりも宮殿内の建築や改装に熱中し、宮殿内の離宮、トリアノン宮殿敷地内に国王の好物であったイチゴの栽培所を設けたり、植物の温室や農地を作ったり、フランスのセーヴル陶器を世界中に輸出したり、宮廷内の劇場で芝居やオペラを上演したりと、ルイ15世のために宮殿内の改善を積極的に行いました。

また、彼女は王の政治や外交の相談役として重要な役割も果たしたそうで、オーストリア継承戦争ではオーストリア、ロシアと手を組んでプロイセンを包囲したのですが、この際の3人女性の共同作戦(オーストリアのマリア・テレジア、ロシアのエリザヴェータ女帝、ポンパドゥール夫人)は「ペチコート作戦」と呼ばれるに至ったのだそうです。

晩年は彼女は持病の偏頭痛、度重なる流産等で夫への務めを果たすことができなかったため、娼婦館(鹿の園)を建て、若い女性を住まわせて王の相手をさせました。1764年、彼女はヴェルサイユ宮殿で息をひきとりました。

彼女の肖像画はそんな背景を知りながら改めてみると彼女の優雅さ、気品、知性が感じ取れる気がします。

館内の小さなギフトショップには、この美術館のパンフレットや、このポンパドゥール侯爵夫人の絵葉書もここで売っています。パンフレットは1冊購入してしっかり勉強してまたもう一度足を運ぶとより一層楽しめます。

ポンパドゥール

ウォレス・コレクションのカタログよりポンパドゥール伯爵夫人

また、このウォレス・コレクションの中庭には、吹き抜け天井の素敵なカフェがあります。ショッピングや絵画鑑賞に疲れたら、ゲストハウスに戻られる前にゆったりとここで休憩し、軽食、お茶、デザートなどをいただくこともできます。

ウォレス・コレクションのカフェ

吹き抜けの開放的なカフェ

The Wallace Collection
Hertford House, Manchester Square, London W1U 3BN
最寄り駅:ボンド・ストリート
開館時間:毎日 10:00〜17:00
休館:12月24〜26日


ゲンダイ・ゲストハウス 管理人プロフィール

職業:ゲストハウス住み込み管理人
出身:東京
在英歴:1994年から

イギリスには当初学生として渡英し、その後、ホテルやケータリングなどのサービス業で仕事をして今に至ります。気がつくと、もう在英20年以上となりました。
イギリスへの思い入れは中学生の頃に読んだ「嵐ヶ丘」「大いなる遺産」がきっかけでしたが、未だにイギリスには期待を裏切られておりません。

1820年に建てられた歴史ある建物で運営されているこのゲストハウスに住み込み、マルチ・カルチャーなロンドンで暮らし、日本からお越しになるお客様のお世話をさせていただく毎日の生活は、飽きることがありません。「管理人」という職を通して色々なお客様にお会いできるのは、まさにのこの仕事の醍醐味です。

イギリスへお越しになる前に、観光の事など何かご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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